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2022/11/02 12:49

※掲載記事は下記noteマガジンより抜粋し一部を再編集、最新またはピックアップ情報をお届けしています。

▼葛飾北斎/北斎花鳥画集「菊に虻」(1831~33年頃、シカゴ美術館蔵/CCライセンス)
青森では近所のスーパーに普通に並んでる「食用菊」。なかでも黄色の「阿房宮」は今が旬です。干し菊は通年、今時期は生花もパックで販売されています。誰でも知っているのは、刺身に乗っかってる小さな黄色の菊ですね。スーパーの刺身パックのはプラスチックですがあれ、いらないですよねぇ。。。話がそれそう。

今回は、菊の超基本情報と他の種類をご紹介します。

<一般的な基本情報>

【キク(イエギク)】菊(家菊)
学名:Chrysanthemum morifolium
英名:Chrysanthemum、mum
キク科キク属 多年生
原産国:中国
▼主な生産地(食用菊)
愛知県(小菊)、山形県(延命楽・もってのほか)、青森県(阿房宮)、新潟県(延命楽・かきのもと)

菊の栽培種は世界で多数ありますが、観賞用も食用も分類上はこの1種のことで「イエギク」というのだそう。資料によって「正式和名」「別名」のどちらも記載があり、現時点では不明です。勉強します。


日本で観賞用に品種改良されてきたものを「和菊」、欧米で育種された「洋菊」といい、区別されています。
江戸時代から品種改良が進み、「古典菊」のひとつ、形の変化を楽しむ「江戸菊」などは、中国に逆輸入され広がりました。ヨーロッパの園芸種も日本の影響を受けイギリスを中心に広がり様々な品種が日本に再上陸してます。



<食用菊(ショクヨウギク)>

食用菊全体の生産量は5割近くが愛知県で、刺身の「つま」などに利用する小輪種については全国9割ほどのシェア。(観賞用も一位)

大輪種の食用菊は大きくは、紫色・管弁の「延命楽(えんめいらく)」、黄色・平弁の「阿房宮(あぼうきゅう)」の2種(同系統の種類は複数ありますがここでは割愛)。
「延命楽」の名は、山形県庄内地方での古くからの呼称とされ、山形県では通常「もってのほか」「もって菊」として出回っています。新潟県では同種を「かきのもと」「おもいのほか」と呼ばれています。


阿房宮は、青森県三戸郡南部町を中心とする南部地域の特産。江戸時代、南部藩主が京都の九条家から観賞用として伝わったとされています。阿房宮の名の由来は、中国・秦の始皇帝が建てた大宮殿の名から。菊を愛でたと言われています。

こちらは、自宅で生花をほぐしたもの。青森では庭や畑の隅に育てている人も多く、いただきものなのです。

<主な栄養成分・フィトケミカル>

人間の体内にもある解毒物質、「グルタチオン」の産生を高めることが分かっています(ポーラ研究所2008年)。その成分は日本では日本薬局方に登録があり、点眼薬や肝機能改善等の医薬品などに使用されています。(薬用に生産されている別の菊花があります)

健康に役立ちそうな成分は、クロロゲン酸(ポリフェノールの一種)や、ビタミン、ミネラルも多く、特にビタミンC、β-カロテン、葉酸をはじめとするビタミンB群なども多く含まれています。
大量に食べることはないにしても、たまには日本の文化を大事にする意味でも試してみてはいかがでしょう。

もう少しだけ知りたい!という方はこちらの記事が元になっていますのでみてみて下さい。




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